/カシュガル(Kashgar)2002.6
 
カシュガルの象徴エイディガルモスク。ラマダン明けには広場があふれるほどの大礼拝があるらしい。


子供はとっても写真好き。


いや、大人も好きにちがいない。


モスクの前に飾ってあった記念写真の見本。どの人もこれ以上あり得ないという笑顔で写っている。

バザールの入り口。様々な商品があふれている。山羊の生首とか胃や腸もあるので貧血の人は注意。


香妃墓。敷地内にはモスクと墓地もあるがどちらも観光客は入れなかった。

郊外に出るとすぐに農村地帯だ。さらに行くと砂漠にたどり着く。


食欲をそそる食べ物は沢山あったがこれだけはダメ。羊の首の煮込み。

■カシュガルは良いところ■
古い町を歩いていると子供が追いかけてきます。「カシャカシャ」と言いながら必死でついてきます。そばにいた大人に「この子、何が欲しいの?」と聞くと「写真だよ」といってその子を叱りました。写真ならいくらでも撮るよ。
モスクの前には写真屋がヒマそうに並んでいます。その一人のヒゲのじじいと目が会いました。「ヤクシミシス(こんにちは)」というと「ヤクシ」と応えて椅子を勧めてくれます。座っても言葉が通じないのはもどかしいです。
人民広場のバス停から三人組の漢人観光客が乗りこんできます。とても偉そうに回りにガンを飛ばしているのですが、その虚勢は恐怖の裏返しに見えます。普通の中国の町なら漢族が人口の大多数を占めているのですがここでは彼らがマイノリティーなのです。
色満賓館の土産物屋には客は来ません。でも二人の女の子が店番をしています。一人は成都、一人が桂林から来ています。なぜそんな遠くから来たのか聞いてみたのですが答えは的を射ませんでした。ただ募集があったから来たそうです。いつでも二人は、街角で座り込んで日がなおしゃべりしているウイグル人と同様にヒマそうでした。
人々がヒマそうにしている町が大好きです。 こういう所に来ると、自分にも持て余すほどのヒマが欲しくなります。でもこの町を歩いていると退屈を感じることはありません。「沈没」するならこういう所でするんだろうなと思いした。実際にここは沈没の名所なのです。


■見所■
カシュガルの中心にはエイディガルモスク(以下モスク)がありその回りには市場が軒を連ねています。夏の夜は食べ物の屋台が出て賑やかです。入場料は10元。モスクの前には広場があり写真屋さんが並んでいます。サンプルの写真をのぞいてみて下さい。おすまし顔のウイグル人のポートレートが飾ってあり、傑作ぞろいです。
新疆最大と言われるバザールは日曜に開かれ、その日に合わせて沢山の観光客がやってきます。西域広場か人民広場から20路のバスで行けます。以前は家畜市場もここにあったそうですが今は別の所に移っています。こちらはタクシーで行きます。
香妃墓は20路のバスの終点にあります。香妃は1760年にこの地から清の乾隆帝の元に嫁いだ人物で、皇帝の寵愛を得たそうです。墓の前の解説書きには「皇帝とウイグル娘の間に芽生えた愛情は中国各民族大団結の証である」と書いてあります。政治臭がプンプンします。香妃墓の入場料は15元ですが、花園とか展示室とかわけのわからん切符を抱き合わせで29元で売りつけられます。香妃墓だけ見れば十分です。
玉蘇甫哈斯・哈吉甫陵墓は人民公園の南にあるイスラム風の建物です。誰の墓なのか読めもしませんが、建物はなかなか立派です。入場料10元。
人民公園は町の新市街の中心にあります。公園の前には広場があり、巨大な毛沢東の像が中国人による支配の象徴のようにそびえています。公園の中はかなり広く、芝生には絨毯が敷いてあって地元の人がピクニックをしています。入場料2元。
この他に郊外を自転車で走り回るもよし、モスクとバザールの間に広がる旧市街を歩くもよし、郊外の遺跡に行くもよし、二日がかりでカラクリ湖にゆくもよし、する事は沢山ありますので日程には余裕を持ってどうぞ。


■交通■
鉄道が通っています。ウルムチから二階建て豪華車両が24時間で結んでいます。値段はちょっと高めの350元(硬臥下舗)。
駅からモスクまで28路のバスが結んでいます。
市内交通で便利なのは20路のバスで西域広場(人民西路と314国道が交差するロータリー)から人民広場、バスターミナル、バザール、香妃墓を結んでいます。
長距離バスは人民広場の東にあるターミナルから各地に出ています。ただしカラクリ湖やタシュクルガン、パキスタン方面へは町の北にある国際ターミナルから出ます。
空港もありウルムチ間に便が飛んでいます。列車よりちょっと高いだけのディスカウントチケットもあるという話です。
貸し自転車は色満賓館の前のJohn's Cafeで借りられます。

■宿■
色満賓館か其尼瓦克賓館のどちらかに皆泊まるようです。
色満賓館は安いけどちょっと町の中心から遠いです。歩くとモスクから20分、西域広場から10分くらい。ただ広い中庭があって読書をするのに最適です。昔のロシア領事館の跡に建ち、古い建物は高いけど宿泊可能です。ドミは一人15元でシャワーが各フロア一つしかないのでバザールの日は混みます。風呂付きだと120元。
其尼瓦克賓館はモスクから徒歩10分。昔のイギリス領事館の敷地に建っていますが当時の名残はありません。空調付きで6人部屋が一人30元、三人部屋だと40元。どちらもシャワーは部屋に付いています。

■めし■
濃密なウイグル料理であふれています。羊肉の串焼き、カバブはどこの店にもあります。トマトと羊肉がかかったぶっとい麺、ラグメンは3元から。あとナンも香ばしくて最高です。非常に残念なのはウイグル料理の店だとビールが飲めないこと。みんなムスリムなので御法度です。飲むなら漢民族の経営する中華料理屋でどうぞ。