■大連について■
大連についてのあれこれは、清岡卓行氏の「アカシヤの大連」という作品を読んでいただきたい。
「五月の半ばを過ぎた頃、南山麓の歩道のあこちに沢山植えられている並木のアカシアは、一斉に花を開いた。すると、町全体に、あの悩ましく甘美な匂い、あの、純粋のうちに疼く欲望のような、あるいは、逸楽のうちに回想される清らかな夢のような、どこかしら寂しげな匂いが、いっぱいに溢れたのであった。」(講談社文芸文庫刊)
大連の街に特別の想い入れを持つ人は少なくありません。日本の中国への投資が盛んになった頃、先ず投資の対象となった都市が、上海や広州ではなく、大連でした。日本に近いということも一つの要因ではありましょうが、投資を決定した企業のトップの多くが、この街を特に選んだのだと聞きました。
ここは旧満州の玄関口であり、沢山の日本人が住んでいました。ロシア人が都市を造り、そこに住んだ日本人。この街の外観は完全に西洋化されていますが、随所に日本的な意匠がちりばめられています。大連の駅は上野駅をまねして作られていて、外観もそっくりです。
■見所■
大連の見所は海です。街自体が半島状に海に突きだしていて北・東・南は海です。北は主に港になってます。南にある海が星海公園。昔日本人が星が浦と呼んだ海水浴場です。大和ホテルがあり、リゾートとして賑わっていたようですが、今ではホテルは見あたりません。そのかわり、夏になれば人、ヒト、ひと。泳ぎたい人はここは避けましょう。東に行けば棒スイ(木へんに垂)島海水浴場があり、ここは幹部の避暑地にもなっています。比較的すいているかもしれません。
大連海港に行くと客船ターミナルがまだ一部昔のまま残っています。しかし、この辺りは中国有数のコンビナートですのでのんびり観光している雰囲気ではありません。
昔の雰囲気を味わうならば中山広場へどうぞ。大和ホテルや横浜正金銀行などが偉容を誇った街の中心です。まだ建物は健在。 大和ホテルは今では大連賓館になっています。泊まりましたが、天井が高くて良いです。値段も高いです。また南山地区は昔の日本人の高級住宅地があったところで、いい感じです。
|