南京(Nanjing)2002.7/1990.3/1993.4

 


明孝陵から見た紫金山。見る物はたいしてないが、緑が濃いのに感激。明孝陵の入場料は15元


夫子廟は南京の下町。でも古い家はすっかり壊されて綺麗な繁華街になっている。


蒋介石の官邸なのに奥さんの名前で呼ばれている美齢宮。宋美齢はブルジョア階級の象徴的人物なので、イヤミを込めて名付けられたのだろう。中洋折衷の下品な建物だ。入場料10元。


美齢宮の中。特別豪華なわけではないが、天井が見上げるほど高い。あと、我が家より広いトイレも必見。


侵華日軍南京大虐殺遭遇同胞記紀念館にある有名な「犠牲者300000」のレリーフ。中の展示物には全て日本語の解説が付いています。ただそれを読んでいるのがバレるのがなんかイヤ。入場料10元。

■南京について■
なんとなくこの街に来るのに二の足を踏むのはいたしかたないことです。なにしろ南京大虐殺が繰り広げられた場所なのですから。日本人だとバレないようについ身をかがめて歩いたり、キョロキョロ回りを見回したりしがちですが、バレたからって袋叩きに遭うわけではありません。多分大丈夫です。
南京大虐殺があまりにインパクトが強いので他のことはかすみがちですが、南京は三国時代の呉の都だったし、明の時代も最初はここが都だったりと歴史的な街です。また、南京大虐殺の起こるまでは中華民国の首都だったのでその関連の史跡もあります。


■見所■
街の東にある紫金山は緑に包まれた低い山です。この中には中華民国建国の父である孫文の墓(中山陵)や明王朝を建てた朱元璋の墓(明孝陵)、明代の寺・霊谷寺があります。中山陵へは街の中心の新街口から9路のバスまたは夫子廟から遊2路で行けます。
また、この山は国民党の幹部の高級住宅地だったようで、今も軍の施設や用途不明の邸宅が点在しています。緑が豊かなので散歩するのには丁度良いのですが、歩いていると誰かに監視されているような緊張感があります。
そんな高級邸宅の一つを覗いて見たい方は「美齢宮」などいかがでしょう。ここは国民党のボスだった蒋介石とその夫人の宋美齢の邸宅跡です。9路のバスで美齢宮下車。

南京の街は今でも城壁に囲まれており、壁には日本軍の銃弾の跡が生々しく残ってたりします。街の南にある中華門に行けば城壁の構造がよくわかります。
昔からの下町は夫子廟と呼ばれ、今も最大の繁華街になっています。また新街口は地理的に南京の中心地で高級ホテルやデパートが集まってます。
もし中国近代史に興味があるのでしたら「総統府旧址」と「梅園中共代表団旧址」があります。前者は中華民国時代に国民党政権の総統府があった所。後者はその隣にあり、共産党の代表団が事務所を置いていたところです。周恩来関連の展示物が沢山あります。中華門の南にある「雨花台」は国民党が共産党員を虐殺した場所でその慰霊碑があります。

南京に行くのなら避けては通れないのは「侵華日軍南京大虐殺遭遇同胞記紀念館」 です。長い名前ですが早い話が南京大虐殺の博物館です。写真のパネルが飾ってある他に、実物の骨も沢山転がっています。この記念館は実際に虐殺の行われた場所に建っているのです。さすがにここでは「日本人だってバレないでくれ」と深く祈りました。夫子廟から7路のバスでどうぞ。


■交通■
上海へは鉄道で3時間半です。交通の要衝なので鉄道もバスも沢山あります。南京駅は2002年夏の時点で大規模改装中で、かなり混乱ています。駅から徒歩15分の所(1路のバスでも可)に中央門長途汽車客運站というバスターミナルがあり、大体の行き先へはここからバスがあります。但し楊州へは長途客運東站からしかありません。二つのターミナル間は28路等のバスが結んでいます。

■宿■
ユースホステルができました。でも中国で一番役に立たないユースです。場所は紫金山の中、9路のバスで四方城下車徒歩5分。ただし一部屋160元です。ドミはありません。安い宿は駅の回りを探すとあるそうです。南京大学の留学生宿舎は街の中心部にあるので昔は利用したのですが今は留学生で混んでいるようです。最近泊まったのは中央門バスターミナル近くの白宮大酒店252元(定価の40%引き)。