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作者が身を削って習得した中国旅行の奥義を、惜しげもなく披露するコーナーです。本気にしてひどい目に会っても責任はとれません。 |
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●吃飯問題最大 |
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「吃飯問題最大」というのは毛沢東の言葉で、「食べることが最大の問題だ」という意味です。まだ共産党が国民党と内戦していた頃、「満足に食べることも出来ない人民が存在することが最大の問題で、それを解決することが一番重要」という様な意味を込めて発した言葉です。
ここでの意味は違います。「一人で旅行していると、メシを食うと言うことが思いのほかやっかいだ」という意味です。 何しろ中華料理は大勢で卓を囲んで食うことを前提にしているので一人だと寂しいです。あとメニューが漢字で書いてあるので解読することができず、注文したらとんでもない物体が出てきたという事も多々あります。まあそれはそれで一つの楽しみですが。
最初に中国を旅行したころ、注文して出てきたのがことごとく肉料理ばかりで1ヶ月間ほとんど野菜を食べられなかったことがあります。他の客は野菜炒めを食べていて、一生懸命メニューでさがしてそれらしいのを注文するのですが全て外れでした。そう、野菜炒めはメニューには載っていないのです。野菜炒めは「炒青菜」と言えば出てきます。野菜の種類を聞かれることもありますが、適当に答えるか、厨房を覗いて指で指定しましょう。但し、注文するとき最初に野菜炒めを頼むと「没有(ない)」と言われます。野菜炒めはとても安いので、それだけ注文されると店はやっていけないのです。
以前四川省の成都に行ったとき、辛いものが食えない日本人に沢山合いました。彼らはとても苦しそうに四川料理を食べていました。悲劇です。辛いものがダメな方は「不要加辣椒」と言いましょう。「辣椒」は唐辛子です。観光地では度々「要不要辣椒?」と聞かれます。「カラシを入れるか?」と聞いているわけです。ちなみに唐辛子を良く使うのは四川の他、雲南や
湖南、桂林周辺でも時々使います。
僕の好きなメニューがいくつかあります。ひとつはニガウリです。特に南方ではよく見かけます。ニガウリは「苦瓜」と書きます。「苦瓜炒肉片」で苦瓜と肉炒め。「苦瓜炒鶏蛋」は卵と炒めたの。日本のとさほど変わらぬ
味です。 もう一つ湯葉もお勧めです。上海や杭州の周辺でよく見かけます。「豆腐皮」と言います。 |
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●旅の洗濯 |
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ドミなどに泊まって旅行していて困るのは洗濯です。同じホテルに2泊以上するなら洗濯しても乾くので問題ないのですが、急ぎ足の旅で連泊できない時は半乾きのベトベトしたパンツを履かなければならない事になったりして最悪です。そこでグッドアイディアです。
既に下の方で洗濯は普通の石鹸ですると良いと書きました。旅行用粉末洗剤を持っていったこともありますが、あまり良く泡立ちません。それに一回一パックを使うので毎日洗濯するなら沢山洗剤を持って行かなくてはなりません。
石鹸で洗えばこうした問題は解決です。しかも体も洗えるので一石二鳥。
洗い終わった洗濯物はよくしぼって干します。当たり前ですが、そうしないと何日も乾きません。所がしぼるのには物凄いパワーが要ります。この前、すごい気合いを入れてしぼったら手のひらの皮をすりむいてしまいました。こんな思わぬ
ケガを回避する素晴らしい方法があります。「振り回し乾燥法」です。
洗い終わってしぼったあと、服を思い切り振り回してください。Tシャツなら肩の所を持って10回位 パタパタはたきます。そして裾の所を持ってさらに10回パタパタ。水滴が飛び散らなくなったら干しましょう。靴下やパンツは端っこを持ってグルグル振り回します。同室の人に水滴がかからぬ
ように十分気をつけてください。パンツから飛び散った水滴がかかると、それが洗濯済のものでも皆不愉快な顔をします。
こうして念入りに水気を取って干すと、雨でもない限りだいたい一日で乾きます。
服がのびちゃうんじゃないかって?伸びて困るような服を着ていく方はやらないでください。でも最近の服は伸びないですよ。パンツのゴムが伸びちゃったこともまだないですし。
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●ワンポイント日本語口座 |
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中国では普通には日本語は通じませんが、映画などの影響でみんなが知っている日本語もありますので気をつけなければいけません。
一番知られているのは「バカヤロー」という言葉です。これは大抵の抗日映画に出てくる言葉ですね。日本軍のヒゲをはやした悪い軍人が、軍刀を握りしめて怖い顔で「バカヤロー、バカヤロー」とのべつ怒鳴っているシーンでおなじみです。同じパターンで「コラ!」ってのもあります。中国人と喧嘩になってしまったときにこの言葉を発すると、軽蔑のまなざしで見られますので使わない方がいいです。
もう一つ有名な言葉は「メシメシ」です。1990年頃のことですが、歩いているとみんなから「メシメシ」と言われました。意味不明です。おそらく何かの映画で、会社から帰ってきたお父さんの「さー、メシ、メシ」という台詞があったんじゃないでしょうか。それとも中国に旅行に来た団体のオッサンが言ったのかもしれません。いずれしても、いろんな場所で「メシメシ」と声をかけられたので全国的流行だと思います。出典をご存知の方はぜひ教えてください。
もうひとつおまけ。あるとき武漢で「ロウ!」と何度も呼びかけられたことがあります。これは英語でしょうか?未だ解決の糸口もない大きな謎です。 |
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●中国で道を渡る |
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中国だけの事ではありませんが、信号が少なくて、しかも守らないので道を渡るのは一苦労です。特に最近は車の量 が多くなってきてますます大変になってきました。そこで、これから中国に行く方に道の渡り方をレクチャーしましょう。
1.気合いを入れます。2.左右を見ます。3.自分の他に道を渡る人を捜します。4.その人の影になるよう気をつけながら、同じように渡ります。
この方法なら万が一車が急加速しても、自分がひかれる前に一緒に渡った人がひかれますので安全です。
ではもし一緒に渡る人がいなかったら?そんな時は、
1.左右を見ます。2.車が来たら、運転手の目を見ます。3.「オレ、渡るぞ、いいな?」と目で語りかけます。4.運転手は「ダメダ、オレが通 ってからにしろ」と言います。5.「いいじゃん、渡らして」。6.「しょうがねえな、早くしろ!」。7.「サンキュー、急加速すんなよ」。8.気合いを入れて運転手にガンを飛ばしながら渡ります。
もちろんこれだけの会話を目と目でします。一瞬の出来事です。あまりのんびりやっていると運ちゃんがイライラしてひき殺しに来ます。もしくは、横から来た自転車にひき殺されるという間抜けな事になってしまいます。
なお、中には全速力の駆け足で道を渡ろうとする人もいますが、かえって危ないので止めましょう。どうせなら大声で歌い踊りながら渡りましょう。そうすれば運ちゃんもびっくりして止まってくれます。 |
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●没有という魔法の言葉 |
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没有(メイヨー)という言葉でうんざりした人は沢山いますが、最近ではあまり聞かなくなってしまって、なんだか寂しい感じすらしてしまいます。官僚主義的社会主義国家ならではのこの言葉も中国の資本主義化に伴って消えようとしているんですね。メイヨーは「ないよー」という意味ですが、実は隠された色々な意味があるので、ここで偉そうに解説させていただきたいと思います。その意味とは…
1.「お前気にくわんから売ってやんない。」…社会主義国家ではお客さんは"売っていただく"立場ですので、店員に嫌われたら最後です。売ってもらえません。あきらめましょう。
2.「オレここの担当ちゃうねん。」…分業主義的社会主義国家では店員の担当もきちんと決まっています。他の人の領域に踏み込むなんて許されない事です。あきらめてください。
3.「わー、外人さんだわ。あんまり外人さんと仲良くすると当局に批判されちゃうし、わーどうしようかしらん。」…閉鎖主義社会主義的国家ではありがちなことです。あきらめるこってすな。
4.「休憩中に来るなよな、チッ。」…平等主義的社会主義国家では仕事をしても、しなくても給料は同じなので働かない方がおトクです。あきらめるしかないですね。
5.「ここにある商品、もう予約入ってて、売れてまんねん。それに、これ一つしかもう在庫あらしません。あとこれ人気商品やさかい、当分入荷は見込めまへんな。ところであんさん、中国語わからしまへんのやろ。説明するだけ無駄
ですわ。メイヨーーーー。」…あきらめなはれ。 |
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●ワンポイント中国語口座-1 |
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中国では喧嘩は日常茶飯事です。大の大人がツバを飛ばしながら大声でどなりあうのは、一種のスポーツのようで楽しい見物です。しかし時には自分がその喧嘩の当事者になってしまうことも。なにしろ言葉が通
じない異国での勝負、おたがい自分の国の言葉でどなりあうのは大声大会みたいでつまんないですね。やはり心が通 じ合うことが大切です。
そんなときにとっても役立つ言葉がこれ、「ワンパターン」。発音も「ワンパターン」。漢字でどう書くか解りませんが、こう言えば「このドアホ」とか「クソッタレ」の意味に使えます。そしてこの言葉でかなり相手を怒らせることが出来ます。簡単でしょ。これなら覚えられますね。
中国人は口では怒鳴り散らしますが、なかなか暴力はふるいません。なので多少怒らせても取っ組み合いにはなりません。もしあなたが運動不足で、ちょっとこの辺でそれを解消させようと思うなら、「●●●(ちょっとここでは書けない言葉)」と言ってみましょう。効果
てきめんです。相手の顔はみるみるうちに真っ赤になり、後は野となれ山となれ。私は責任持てません。ほんとマジで怒ります。酔拳とか昇竜拳も飛び出すから気をつけて。 |
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●旅の七つ道具 |
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みなさんも旅行に行くのに必ず持って行く便利グッズがあると思います。私の場合は以下の七つ道具がかかせません。
1.カメラと三脚…写真撮影はけっこう真面目にやっています。問題はどうしても絵はがきのような写 真になってしまうこと。一応これでもフォトジャーナリスト志望(苦笑)、モットーは「屍は拾わんでいいから、フィルムは拾ってくれ!」。ちなみに三脚は洗濯物を干すときにも使えて便利。
2.ゴムぞうり…東南アジアに行くときは足首固定式の、外を歩けるやつですが、中国ではスリッパみたいなやつを持っていきます。宿に帰ってスリッパにはきかえるとホッとします。また風呂場の床がむちゃくちゃ汚いことが多いので必須アイテムです。
3.ビニールテープ…ガムテープを持って行くよう薦める人が多いですが、ビニールテープ(電気工事とかで使うやつ)の方が小さいし、水に濡れても大丈夫なので便利です。
4.クリップ…書類を閉じるクリップで、黒くて金属の取っ手がたためるやつです。大きめのを二つ持っていきます。これは洗濯ひもを固定するときに便利です。クリップを窓枠などにつけて、取っ手に紐を結べばほーら、いつでも洗濯物を干せます。
5.ウオークマン…荷物になるので嫌う人が多いのですが、必ず持っていきます。ドミや寝台車の中でいびき野郎に悩まされたことはありませんか?私はあります。そういうときは歯ぎしりで反撃するのも手ですが、お互い良好な人間関係を維持するために我慢して音楽を聴きながら眠ります。
6.ピーナッツ…非常食です。飯を食いっぱぐれることもあります。そんな時は食料を買うこともままならないことが多いです。日本からピーナッツを持っていきましょう。これは腹がふくれます。酒のつまみにもなるし一石二鳥。
7.石鹸…手を洗う、顔を洗う、体を洗う、服を洗うのに使います。大きめのやつを一塊持っていきます。服を洗うのに洗剤を持っていく人もいますが、石鹸が一番です。その使い方ですが、風呂に入るときTシャツを着て入ります。そしてシャツの上から石鹸でゴシゴシこすると泡立ちます。そこでおもむろにシャツを脱ぎ、洗うわけです。
ちなみに持っていっても殆ど使わない旅のお荷物はこちら。
1.ウエットテッシュ…食事の前には手を洗おう、なんてこと中国に到着後3分で忘れる。
2.割り箸…中国のお箸はちゃんと洗っていなくてきちゃないかも、なんて2分で忘れる。
4.中国語の辞書…解らない言葉は調べよう、ということは1分で忘れる。解らなくても気合いで乗り切る。
3.蚊撃墜王…蚊が嫌いな音を発して撃墜する便利な機械。だが、撃墜したためしがない。ただの気休め。 |
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