この街の名物と言えば、「戦場に架ける橋」なんだけど、それは元々旧日本軍が建設したタイービルマ間を結ぶ鉄道の一部で、今日はその鉄道に乗ってきた。
日本軍によって一度はビルマまで結ばれた鉄道だけど、戦争末期に爆撃でやられてしまい、終戦後にはビルマとの国境付近の線路は撤去されてしまったという。現在も残っている線路はNamTokという駅までで、そこまで列車で往復してきた。
片道2時間程の予定だが、行きも帰りも列車は1時間ほど遅れ、合計6時間も列車に揺られ続けた。利口な旅行者は全線列車には乗らず、途中で車に乗り換えてほかのいろいろな見所を回っているが、ツアーに申し込むと自由が取れないし、お金ももったいないので、黙って一日中列車に乗っていた。
折り返し地点のNamTokには滝があるというので、片道20分を歩いて見に行ったが、滝というより水たまりだった。子供たちが滝壺で水浴びして歓声を上げていた。その親たちはヒマそうに子供を見守っていた。水着を着た白い肌のお嬢さんたちは、困った表情で濁った水面を見つめていた。文字通り子供だましの滝に一瞥をくれて駅に戻り、また列車で街に戻ってきた。
列車に乗って面白かったのは、風景が綺麗な区間にさしかかると、どこから沸いてきたのか大量の外国人観光客が列車に乗り込み、普通の風景の箇所では降りてしまうこと。それから、鉄道マニアなら分かってくれると思うけど、単線区間で対向列車が受け渡しする丸い輪っかのようなものが未だ現役で使われているということだ。
列車がトロトロ走ったので色々と観察する時間はたっぷりあった。牽引車を途中駅で交換していたのは意味不明だった。ポイント切り替えは手動だった。ポイントがある中間の駅にはそのためだけに駅員が何人もいて(乗降客などいないのに)、ヒマそうにしていた。その駅には巨大な鋼鉄製の古めかしい機械(通信機か?)があったりして、ディープな鉄ちゃんならばかなり楽しめる路線だっとおもう。
帰り着いた頃には暗くなってしまった。明日、この街を発つつもりだけど、どのルートを取るか決めていない。早起きして涼しいうちに出発したいんだけど、無理そうな感じになってきた。今、食事をしながらこれを書いている。これから宿に帰り、明日のルートをGoogle先生と相談したい。
今日の走行距離:0km
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