今、僕はすごく日に焼けている。今日も太陽に焼かれながら3時まで外を出歩いていた。
宿に戻って、鏡を見たら、その黒さに唖然とした。もしかして汚れているだけかもと思って、
石鹸で良く顔を洗ったら、少し白くなったような気がしたが、
それでも困ってしまうくらいに黒い。皮もむけかけていて、醜い。
今日、見物してきたのはラオス建国の父・カイソーンが生前住んでいた家だ。
街の郊外にひっそりとたたずむ、小さな建て売り住宅のようなこの家で、
建国の父であり、独裁者でもあった(ようするにラオスの毛沢東である)カイソーンは暮らし、執務をしていた。
僕が門をくぐると、専属ガイドがすぐさま出て来て、つきっきりで案内してくれる。
客は僕一人きりであったので、まじめに説明を聞くしかない。
カイソーンの質素で勉強熱心な暮らしぶりを聞かされ、適当に相づちを打っておいた。
「プレジデント・カイソーンは、時には朝の3時から、ラオスの人々のために勉強にいそしんでいました」てな感じの説明だ。
僕はこういう共産主義プロパガンダ丸出しの見せ物は結構好きな方で、
「本当は愛人の家に入り浸ってたんじゃないの?」
などと想像をするのも(決してそんなことはないと信じるが)、まじめなガイドさんには悪いけど、楽しいものだ。
首都・ヴィエンチャン滞在も今日が最後。
この街は今、正月休みでどこもタイやライス人の観光客であふれている(カイソーンの家は除く)。
だから、あまり忙しく出歩くのはやめて、宿でのんびりしている。後は晩飯を食ったら今日はおしまい。
明日からはヴァンビエンという観光地を目指して走る。
まっすぐ行くと2日で到着の予定だが、気に入った場所があれば寄り道するかもしれない。
今日の走行距離:25.99km