初めてこの町に来たのはまだ20世紀のことだった。その時には外国人ツーリストは数えるほどしかいなかったのが、今では人気の観光地となっていて、宿が取りづらい。昨夜の宿は予約が入っているからと追い出され、移った所は古びていてインターネットも使えない所。
宿の引っ越しを終えたのが10時頃で、その後、地元のヒマな奴らがたむろする喫茶店でアイスコーヒーを飲む。
カンボジア式のアイスコーヒーは、たっぷりの氷にものすごく濃いコーヒーと砂糖をたっぷり入れたもの。コンデンスミルクは入れない。氷が溶けるのを待ちながらゆっくりとストローで飲むのが美味い。ものすごく甘いので口の中が気持ち悪くなるが、飲み終わった後、まだ残っている氷にサービスの中国茶をつぎ足して飲むとさっぱりする。砂糖が溶けずに残っていたりもするが、それもまた良い。現地の人はいきなりコーヒーをお茶で薄めながら飲んでる人もいる。
今日は休養日なので無理はしない。
ゆっくりコーヒーを飲んで、通りかかったフランス人のサイクリスト集団と話などする。
彼らとは昨日、道中で会った。2組のカップルの計４人。１組はタンデム（二人乗り自転車）に乗っており、自転車の後ろに荷車を引いている。荷車が11kg、荷物と併せて22kgあるのだそうだ。
もう１組のカップルはそれぞれの自転車に乗っているが、男の方がやはり荷車を引いている。20kgの車を引いて走るのはかなりしんどいと思うのだが、荷物を減らせない事情があるのだろう。それと引き替え、昨日会った別のアメリカ人サイクリストは、ランドセルほどの大きさの鞄１つで10日間の旅をしているのだと言っていた。人それぞれだ。
今日行った所はガイドブックに紹介されていた「滝」だ。でもどこからどう見ても滝ではなく、ただの川。
ちょっと流れが急になっているくらいで、あれでは丹沢渓谷の方が滝に近い。周囲はピクニックスポットになっていて別に観光するほどの所ではなかった。
滝に行く途中で下校途中の学生の集団とすれ違った。校門から学生たちがわんさかと沸き出てくる。
午後は宿でウトウトしたり、朝にも行った喫茶店でコーヒーを飲んだりして過ごす。
そして夕方になったらサンセットを見る。
この町のサンセットはとても美しい。
今日の走行距離：41.86km
今日のコーヒー：1000リエル（約20円）